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【コラム】衝撃のVentura新監督就任 空飛ぶロバは再び翔けれるか

【コラム】

第8節ミラン戦での力ない敗戦を見届けた後、現地の一部Clivensiはとある話題で盛り上がっていた。「チームは戦術的にまとまっているもののD'Annaはそろそろ限界。ナショナルウィークのこのタイミングで監督交代が来るのではないか?」

 

不正会計で喰らったペナルティを抜きにしても8試合で得られた勝ち点はわずかに2。キエーヴォは降格圏外の17位アタランタとは7ポイント離された状態で不名誉なマイナスをつけたまま最下位に沈んでいる苦しい状況だ。

 

なんといっても今季は深刻な得点力不足に悩まされている。長きに渡ってGiallobluの攻守を支えてきたCastroカリアリへ移籍、昨季チーム得点王のIngleseがレンタルバックとなった上、疑惑の最中にあったメルカートでは例年以上に大きく出遅れた。中盤は機能せずStepinskiにボールが入らない。Djordjevicが下りてきて組み立てに参加したトリノ戦ではやや好転するも、前半のうちに負傷交代を余儀なくされ結果的に3戦連続での完封負けに終わった。

また、お家芸の強固な守備組織もセンターバック陣の不調、そしてGobbi去りし左サイドバック問題も解決せず8試合中6試合で複数失点を喫し、半壊状態だ。

 

次第に強まる手詰まり感。状況を打開するべく白羽の矢が立てられたのは、しきりに就任が噂されていたDavide Nicola(元クロトーネ監督)でもBeppe Iachini(元サッスオーロ監督)でもなく、意外な人物だった。

Gian Piero Ventura。そう、約1年前カルチョ界を大きな悲しみと怒りに包ませた元凶とも言うべき元イタリア代表監督その人である。

 

これにはいささかClivensiもCampedelliには驚かされた。まさかこの御仁がカルチョで再び舞い戻ってくるとは思っていなかったし、ましてや我が愛するクラブで指揮を執ろうとは予想もつかなかった。

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(余談だが、このツイートには100件近くのいわゆる"クソリプ"がつけられている)

 

確かに彼は代表監督在任中に多くの間違いを犯した。それは周知の事実だ。

しかし現在底辺にあるGiallobluは彼のような歴戦の名士の就任に賭けるほかないし、歴代監督の中でも指折りのビッグネームでもあるため私個人は期待感の方が強い。

(Giallobluでの未来>Azzurriでの過去と考える)

 

また、忘れ去られているのかもしれないが彼はバーリとトリノで優れた成績を残している。彼自身もまたナショナルチームでの不名誉な記録と記憶を拭い去ろうという強い意欲に満ちていることがインタビューから窺い知ることができる。

 

以下、彼の就任最初のインタビューを記載しておく。

Ventura「はじめに、ここに来ることになったのは非常に名誉なこと。長い間協力してくれたら幸いだ。」

 

(かつて率いたナショナルチームでの出来事について)

Ventura「昨年までのAzzurriの冒険の後も、30年間以上のキャリアから離れることはできなかった。だから私は今ここにいる。大いなる挑戦となるが私は挑戦が大好きだ。成し遂げるために重要なことは、今抱えている多くのプレーヤーを再生させること。これまでベンチ外や負傷で出場機会を得られていなかった選手も含め、昨日と今日のトレーニングを通してたくさんの熱意を感じた。私はその熱意をゲームでは観念に基づいてコントロールするが、状況や試合に適応しようとしている選手たちはスポンジのように吸収してくれる。私はチームが前向きだと捉えている。」

 

 (Manciniの率いるAzzurriについては)

Ventura「昨日はフロントとの話し合いの席もあってきっちり観られたわけではないが、私は彼が国の希望を託すべき最高の人材だと確信している。私には閉ざされてしまった挑戦だが、時が多くを語りそして解決させてくれた。最近ではナショナルチームの選手たちから良いメッセージも受け取った。」

 

(なぜキエーヴォからのオファーを受けたのか?)

Ventura「私は他からもいくつかオファーを受けていたが、いつでも私が志すサッカーができる環境が整ったキエーヴォはオアシスのように映った。この機会を逃すわけにはいかないと思い私はこのオファーを受けた。2007年に(エラス)ヴェローナを指揮していた際も訪れたが、ここは世界で最も美しい都市の一つだと思っている。」

 

(最後に)

Ventura「セリエA残留は至上命題。すべてを尽くしたい。」

 

Venturaとは2年契約。彼が名将に返り咲いたのか、はたまた迷将のままなのかは2020年のEUROの頃には答えが出ていることだろう。

 

彼に期待する1番のポイントは中盤の改善。Maran時代から続く3センター4バックは現メンバーでは限界を迎えており、特に中盤の整備は急務だ。

 

再び大波に立ち向かうGiallobluはこの苦境を乗り越えるのみにあらず、乗りこなせるだろうか。

百戦錬磨の"Mister"の復活に期待し、共に戦っていきたい。


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(出典:@ACChievoVerona)