365gialloblu

@Chievo_Giapponeがお伝えする@ACChievoVerona情報

【A26節 トリノ戦レビュー】

【レビュー】

 

セリエA 第26節》

@Stadio Olimpico Grande Torino (観客数:24000人)

トリノ 3-0 キエーヴォ

得点者:76分Belotti(トリノ)、90+2分Rincon(トリノ)、90+3分Zaza(トリノ)

f:id:Chievo_Giappone:20190304221500j:image

(出典:@ACChievoVerona)

 

  • 採点

【GdS】によるキエーヴォ選手採点はこちら。
f:id:Chievo_Giappone:20190304225410j:image

 

 

  • Di Carlo監督の試合後コメント

Di Carlo「私たちは90分までトリノと対等の試合をプレーしていたことは賞賛に値する。

(Jaroszynskiが負傷交代したが) 次節6ヶ月間プレー機会の無かった選手をベンチ入りさせる事態はなるべく避けたい。彼の状態が深刻なものではないことを願っている。

しかし、我々はキエーヴォだ。チームがどうあるべきか、どのようにプレーすべきかを常に意識している。ピッチ上でもっと粘り強さを出していく必要がある。

普段のトレーニングは上手く行っているのだが…試合終盤の記録については今は直視出来ない。」

 

 

  • 決定力の差はチーム力の差

私はプレビューにおいて、シーズン前半のトリノ戦を振り返り次のような趣旨で述べた。「フットボールはスタッツを比べるスポーツではない」「実質的な決定機は五分五分であった」と。

私は重大な間違いを犯していた。プレビューで述べたことを訂正しよう。実質的な決定機が同程度だったからと言って、実力が伯仲しているわけではない。その当たり前の概念をとんと忘れていたが、今節はそれを思い出させてくれるゲームだった。

本日のスタッツ。トリノは支配率59%、シュート13本(うち枠内5本)。そしてキエーヴォは支配率41%、シュート10本(うち枠内4本)。

さて、試合を観ていた方ならおわかりだろうが、枠内シュートの本数が示すように決定機は双方に同程度あった。しかし、最終スコアは3-0でホームのトリノが勝利。

こと結果至上主義のカルチョにおいて、強いチームとは決定力によって定義される。まさにその通り。トリノは決定機を活かし切れる強いチームであるが故に欧州行きの切符を争っており、我らがキエーヴォはそれが成し遂げられないが故に最下位という現状に直面しているのだ。
f:id:Chievo_Giappone:20190304232819j:image

(出典:@PicenoTime)

 

 

  • 闘志無き者はピッチを去れ

この試合の敗決は、カードを貰ったことで守備面が消極的になっていたDiousseを最後まで引っ張ったことではないだろうか。カードを貰ったシーンはピンチを未然に防ぐナイスファールであった。その後得点に繋がることはなく、結果論的にもDiousseの判断は適切であったと言える。

だが、その後の失点シーンに彼は顕著に関与している。ロッソを恐れ、バイタルエリアで相手選手にチャージをする勇気を失っていた。結果、目の前を走る相手に余裕を与えてしまい、華麗なミドルシュートを2本も叩き込まれてしまった。3失点目に関しては最早プレーに冷静さの欠片もなく、論外である。

 

もちろん、Schelottoが早々に負傷交代したことで交代カードの切り方が制限されていたのは理解の余地がある。しかし、Mimmoがリスクマネジメントという点ではいささか軽率だった感は否めない。Birsa移籍後も4-3-1-2に固執し、ジョーカーの使い方ひとつ儘ならないようでは、今のチームにはいつまでもゴールが生まれないだろう。

次節にSchelottoやJaroszynskiが使用可能かどうかは不確定であり、一層中盤の構成の再考が求められる試合となる。柔軟な思考も持たず、4-3-1-2という鈍刀1本でミランに挑むのは、それは最早こだわりではなくただの思考停止である。

 

もう1つ。私自身精神論は好まないが、それを差し引いても目に余るほど今のチームには闘志がない。Capitano Pellissierが自ら体現する"キエーヴォスピリット"、それに欠けたプレーの数々。今節は特に顕著であった。

つまらないミスを繰り返し自分の求められる仕事ができないDjordjevic。彼の4.5点の評価は妥当だ。攻守ともにムラの目立つプレーで不安定さを露呈、先制点のきっかけともなるパスミスをしたにも関わらず相手を追わなかったLeris。退場を恐れる余り適切な守備もできず、攻撃においても停滞感を生み出したDiousse。ゴール目前の絶好機にもファールに逃げシュミレーション判定を受けたStepinski。そして、就任時"キエーヴォスピリットを常に胸に"と宣言したにも関わらず、いつまでも有効打を打たないMimmo。

個人的には、2点目の後もなお貪欲にゴールを狙ったZazaの姿勢を賞賛したい。泥臭くとも仕事をこなす"キエーヴォスピリット"の言葉に今節1番合っていたのは、皮肉にも相手選手である彼だろう。

 

いつまで逃げに走る?これでは保身に走ったVenturaを批判することができようか。今一度、Clivensiがクルヴァに掲げる"ORGOGLIO CLIVENSE"の言葉の意味を噛み締めて欲しい。

Ventura辞任の際のPellissierの言葉を借りさせてもらう。闘志無き者はピッチを去れ。"キエーヴォスピリット"を持たない者は今すぐその誇り高きGiallobluのシャツを脱ぐべきだ。
f:id:Chievo_Giappone:20190305003133j:image

(出典:@ACChievoVerona)

 

 

  • Ciao Davide

フィオレンティーナの永遠のCapitano、Davide Astoliの一回忌となった今節。13分には彼を惜しむ盛大な拍手が各試合会場で送られた。

彼の振る舞いはViolaサポーターのみにあらず、全てのカルチョ愛する人々にこれからも語り継がれていくことだろう。

R.I.P. DA13

 

 

  • #30 Mayele

この試合に込められていた大きな意味はAstoliのみではない。キエーヴォ唯一の永久欠番30を背負っていたJason Mayeleの17回忌でもあった。

"Miracolo Chievo"が欧州を席巻していた頃、彼は悲しすぎる自動車事故で命を落とした。f:id:Chievo_Giappone:20190304232307j:image

(出典:@ACChievoVerona)

 

このこともあって、今節、Giallobluのシャツを纏って戦う選手達は、元気にプレーできることがどれほどありがたいことかを考えながらプレーできる機会だったはずだ。にも関わらずこの有様。

次節こそ、伝統のシャツの重みを体現するようなプレーを見せてもらいたい。相手が何処であろうと、泥臭く勝ち点をもぎ取ってほしい。

 

次節はホームでミランを迎え撃つ、難しいゲームとなる。Rigoniのサスペンデッド、そしてSchelottoとJaroszynskiの欠場が(皮肉極まりないが)契機となり、Mimmoの決断を後押しし、結果に繋がることを願って止まない。