365gialloblu

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【Gialloblu BAR】君の名は:ペリシエ?ペリッシエ?ペリッシエール?

【Gialloblu BAR】

 

※BAR(バール)とはイタリア全土で広く親しまれている立ち飲み形式の喫茶店のこと。このコーナーはキエーヴォを愛する者やカルチョクラスタがほっと一息つく場、という意を込めて筆者が"Gialloblu BAR"と命名した。

 

私は以前、別の媒体(※アメーバブログ)で"週刊Gialloblu"という名前のブログを運営していた。

テイストは現在の365giallobluと至って変わらない、キエーヴォ情報をアップしていく形式。しかし、その中身はおよそ今とは大きく異なる。

 

元々、私がブログを始めたきっかけはサッカーマガジンfootballistaに掲載されていた次の記事。

かつてレガ・プロに所属していたモデナで起きた悲劇の内容にも衝撃を受けたが、それ以上に惹かれたのは筆者いまいみこ氏の文章。シニカル、コミカルに描写しつつも、サポーターとしてブレることのない芯を感じさせる文綴に惚れた。心からこんな文章を書いてみたいと思った。それくらい、私にとっては大きな出会いだったのだ。

 

真似事でもいい、そう思って書き始めた週刊Gialloblu。初めての執筆、文章の内容以上にサイトのデザインや入力方法に悪戦苦闘した週刊Gialloblu。ネーミングを決め、書き始めてからラツィオタローさんのやや日刊ラツィオや編集長ミツさんの月刊ユベントスと出会い(「しまった!」)と心の中で叫んだ週刊Gialloblu。今となってはいい思い出だ。

 

しかし、後に私は媒体を変え、ブログタイトルも変更した。

文法や表現技法は真似できても、文章の味というものは到底真似出来ない。滲み出る自身の色はどうしても隠せず、憧れの文綴に近づくことはできなかった。そして私は以前の真似事ブログに嫌気が差し、すべてを削除した。心機一転、この365giallobluではなるべくは自身の思うままに書くよう心がけている。

もちろん、ブログ執筆者としてのきっかけを与えてくださった(←勝手に)いまいみこ氏に感謝、そしてリスペクトし、今でも氏が書かれている記事は愛読している。

(モデナからハダースフィールド(イングランド)のサポーターに転身されていたことには非常に驚かされたが🙄)

 

 

 

さて、前置きが少々長くなった。本題に入っていこう。

 

先日、ヴィオラサポーターのKyazuさんがご自身の記事内で、ブログ執筆者の表現技法などについて言及されていた。

(とても勉強になりました。早速今回から活用させていただきます🙇)

 

そして、こんなことも仰られていた。

 

言葉は生きもの。先述の通り、文章に息づく自身の色を押し殺し、お気に入りの他人の文綴に寄せることは非常に難しい。このことを私は一年もかけて悟った。

しかし、表現技法といったものは如何ようにも工夫することができる。Kyazuさんの記事を拝見した私が、たった今、言葉選びに神経を研ぎ澄ませているように。

 

ある意味、こうしてひとつのプロヴィンチャクラブに絞ったメディアは珍しい部類に含まれるであろう。そのような稀有なスタイルだからこそ大事にしている表現技法などもある。

Kyazuさんの提案に乗っからせていただき、私が特に大事にしていることについて記させていただく。大多数に受け入れられるかは未知数、そして烏滸がましいように感じる方もいらっしゃるかもしれないが、しばしお付き合いいただきたい。

 

 

さて、このブログは主に次の三つを目的として運営している。

  1. 私個人のサポーター日記
  2. 執筆を通した私個人の文章力向上
  3. キエーヴォにより親しみを持ってもらうこと

 

先の二つは当然、自己満足となる。Clivense(キエーヴォサポーターの愛称)としての足跡を残すべく、ブログという形式で日記をつけながら日々文章力を鍛えている。同時にカルチョを観る"眼"も養っている(つもり)。

英語を毛嫌いする系の学徒だった私が語学の楽しさに気づくことができたのでこの自己満足には大いに感謝している。(谢谢。)

 

そして、三つ目が最重要ポイント。

日本で情報を得ることが容易くないキエーヴォというクラブに親しみを持ってもらうべく、ニュース等の提供を通じてクラブに関心を持ってもらうこと。

(あわよくば、"Giappone Clivense"仲間を増やすこと。)

 

私が意図的に用いている表現のいくつかは、上記の目的達成のために拠るものが大きい。

その1つが、選手名などの一部固有名詞を日本語のカタカナにせず、敢えてアルファベットで表記していることである。

 

 

Twitter上などでもしばしば見かける固有名詞のアルファベット表記。用いている理由は各々によって異なるだろうが、私の場合は特にサーチ時の引っかかりやすさを重視している。

 

例を挙げよう。キエーヴォにはGiallobluのバンディエラとしてカルチョクラスタ知名度も高いSergio Pellissierという選手がいる。
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(出典:@ACChievoVerona)

 

彼をカタカナで表すと、サッカーマガジンEL GOLAZOの名鑑を引用するならば「セルジオ・ぺリッシエール」となる。しかし、世界中で受け入れられている家庭用サッカーゲームウイニングイレブン』内の表記は「セルジョ・ペリシエ」。また、他にも「ペリッシエ」「ペリッシエル」「ペッリッシエール」といった表記も散見される。

チーム内で1番有名な選手でさえこの様である。他の選手でこのような事態が発生しないわけがない。

 

 

つい先日もミランの新エースPiatekでこのような論争が発生した。ピョンテクピオンテクピアテク。これからチームを背負っていく存在も、呼称が三分されてしまっては日本の一般層への浸透はより遅れるだろう。

無論、クリスティアーノ・ロナウドリオネル・メッシといった一般層にも広く受け入れられている存在であれば問題ない。当初Messiもメッシメッシーと呼称が割れていたが、現在ではメッシ派が主流だろう。

ただ、このようにアルファベットをカタカナに直しても呼称が統一されている選手、彼らの存在は多数派ではないということをご理解いただきたい。

 

 

貴方が気になる選手を見つけたら、まずはTwitter検索で評判を調べたり、YouTubeでプレー動画を観たりしたいと考えるのではないだろうか。その際、この"呼称割れ"は確実に新規ファン獲得の阻害要因となる。

キエーヴォを応援する者を増やしたいと考える私からしてみれば、そのような壁でせっかくのチャンスをフイにするのは非常に残念、かつ勿体ないことである。

 

ゆえに、私は選手名など一般層に普及していない、かつ呼称が統一されていないものに対してはアルファベットを用いて表記している。

逆に、チーム名など広く知られているものに関してはカタカナ表記を使用している。ユベントスミランなどのチーム名はアルファベットよりもカタカナの方が見やすく感じる時もある。

余談だが、カリアリは本来であればカッリャリなどと読むのが相応しいだろう。しかし一般層に普及されているのは"カリアリ"というチーム名なので、私はこちらを用いている。(ウイイレの影響か?)

 

また、私はGiallobluといったイタリア圏特有のチーム愛称についても同様の扱いをしている。

例外として「ヴィオラ(=Viola、フィオレンティーナの愛称)」については、カルチョクラスタの間において十二分に呼称が定着していると私は考えている。よってアルファベット表記は使用せずカタカナ表記で呼称している。

 

ここで豆知識。アルファベット表記を用いてTwitter検索をかけた場合でも、検索アルゴリズムがアシストし同地域内にいる人(=日本人)のツイートを優先的に表示する。「ペリシエ」呼称の方と「ペッリッシエール」呼称の方がカタカナ表記で検索した際に出会う確率は非常に低いが、お互いに「Pellissier」とアルファベットで表記・検索した場合、彼らがGiappone Clivenseとして邂逅する確率は飛躍的に向上するだろう。

 

 

以前:カタカナが乱立。表記の割れる選手が検索に引っかからない可能性も。また、元から彼らの名前を知らなければ、肝心の選手名がわかりづらいだろう。

現在:広く世界に受け入れられている表記で検索に引っかかる確率がアップ。アルファベットは選手名、カタカナはチーム名と判別し、スッキリ読むこともできる。

 

 

他にもメリットとして推したいのは、アルファベット表記を用いることで、日本のみならず現地(日本国外)のサポーターと繋がるチャンスが増えるということである。

彼らにとって日本語は呪詛に映るかもしれないが、文章内のPellissierという言葉が理解の一助となるだろう。日→伊のGoogle翻訳の際にも意味がわかるように上手く残ってくれるはずだ。現地サポーターとも交流を持ちたい人には是非オススメしたい。

(私も数名の現地Clivensiと拙い伊語・英語を用いて頻繁にやりとりしている。)

 

 

 

ここまで自信たっぷりに長々と技法について書いてきたが、それでもなお難攻不落の壁がこのキエーヴォには存在する。

そう、キエーヴォキエーボどっちやねん問題である。双方がかなり一般層に浸透しており、かつChievoとアルファベット表記で検索する日本人は稀有であるため、かなり深刻な溝が広がっている。

近年ではややキエーヴォ派が優勢であるので、私は頑なにキエーヴォで統一している。早く日本語版公式アカウントを設けて大岡裁きを下してもらいたいところだ(遠い目)。

 

 

話を戻そう。

ひとつ注意点を書き加えると、前述の技法はあくまでもクラブの露出度を少しでも増やしたいと考えている、いわば"マイノリティ"ブロガー向けの技法に該当するのかもしれない。

ユベントスインテルのような所属選手の呼称が統一され、比較的浸透しているビッグクラブのブログなどで用いると、読者が"くどい"と感じかねず、ややリスキーである。その点には十分留意してほしい。

 

 

 

以上が私のマイルール。この方法が実を結び、私や数名のGiappone Clivensiの布教活動によってキエーヴォに興味を持ってくれた方が現れてくれたら本望だ。

また、前述の目的を達成すべく、本ブログもトライ・アンド・エラーを繰り返し日々改善していく所存である。私個人としても様々な知見を吸収したいので、ブロガーの皆様方には是非私のようにKyazuさんの件の記事に乗っかっていただきたく思う。(何卒!)

チームが置かれている状況は非常に厳しく、来季はより一層メディア露出が減ってしまうかもしれない。それでもなお、Twitter上だけでもキエーヴォを身近に感じてもらえるようなブログ運営ができたらいい、と考えている。

 

今ではスタジャポなどでも寄稿しており、ささやかながら日本でのカルチョ人気再興のお手伝いをさせていただいている。スタジャポ編集部を始め、執筆活動を通じて出会った方々も数多い。Kyazuさんも記事内で仰られていたが、アマチュアの執筆者でも自由に発信できる今の潮流を喜ばしく思う。

細やかな解説や戦術の可視化が歓迎され、プレーの言語化が叫ばれる時代だが、そんな気取ったものでなくたっていい。プレーのみにあらず、選手のリアクションやスタジアムの雰囲気、インタビューでの煽り発言から選手の不思議なファッションセンス(#今日のエンクルズスタイル hashtag on Twitter)に至るまで、カルチョには多くの魅力が転がっている。ぜひ、これらを見聞きし素直に感じたことを文章という形にしてカルチョクラスタ仲間に共有してみてほしい。それもまた、貴方の愉しみ方のひとつに加わるに違いない。

 

ことスポーツ観戦において、語り合える仲間の存在はとても貴重だ。貴方のカルチョクラスタ人生がサポーター仲間に囲まれた愉しきものとなるように、様々な形で己のブログを彩り、発信していってもらいたい。

ちょっとした心遣いが、貴方の文綴を劇的に変えうる。微力ながら、今回の記事がその一助となることを願うばかりだ。


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(出典:@ACChievoVerona)