【特集】
(問)
以下の写真を見て設問に答えよ。
上記の写真は昨年のセリエA18/19第1節、キエーヴォのスタメンである。
このうち、現時点においてキエーヴォに何人の選手が残留しているか答えなさい。
正解は・・・
(出典:@TalebanoGobbo)
Giaccherini、ただ1人である。
以前、半分冗談のつもりで「そして誰もいなくなった」という題の記事を書いたが、本当に(ほぼ)誰もいなくなってしまった。草刈場とはこういうことを言うのかと、満足げな表情で写真に写る移籍した選手の画像と安すぎる移籍金を報せる記事をぼんやり眺めながら実感しているところだ。虚しい。
夏のメルカートは様々な禍根を残しながら今季も閉幕した。そう、大きな大きな禍根を残しながら。
↑禍根の代表例
(出典:@HellasVeronaFC)
気を取り直して。
今回は①からの総集編という形で、トップチームの選手の入退団をまとめていく。
【退団】
GK
・Sorrentino …退団後未定
・Confente →シエナ(※ローン)
・Seculin →サンプドリア(※買取OP付ローン)
DF
・Andreolli …退団後未定
・Fray …退団後未定
・Rossettini →レッチェ(※ローンバック後、完全移籍)
・Depaoli →サンプドリア 450万ユーロ
・Jaroszynski →ジェノア 400万ユーロ
・Bani →ボローニャ 270万ユーロ
・Valjent →マジョルカ 150万ユーロ(※ローン後、買取OP行使)
・Cacciatore →カリアリ 150万ユーロ(※ローン後、買取OP行使)
・Barba →スペイン・バジャドリード(※買取OP付ローン)
・Tanasijevic →フランス・パリFC(※買取OP付ローン)
・Tomovic →SPAL(※トレード/買取義務付ローン)
MF
・Kiyine →ラツィオ 75万ユーロ
・Rigoni →モンツァ 100万ユーロ?
・Leris →サンプドリア 250万ユーロ
・Hetemaj →ベネヴェント ?ユーロ
FW
・Pellissier …現役引退
・Yamga →ポルトガル・CDアヴェス ?ユーロ
・Juwara →ボローニャ ?ユーロ
・Stepinski →ヴェローナ(※500万ユーロの買取義務付ローン)
Depaoliに引き続きLeris、Seculinまでもがサンプドリアへと去った。当然、バーゲン価格である。
B登録料を支払えたと思ったら今度はBentegodiの使用料未払い問題までもが浮上し、結局メルカート最終盤まで大決算セールを実施する羽目になってしまった。我々Clivensiは前SDを心底恨むぞ。隣町に行った誰かさんは…うん、もう知らない。語る気にもなれない。1つ言わせてもらえば、退団するにしても出方が悪質すぎる。
また、8年間に渡ってキエーヴォの中盤の心臓として支えてくれたHetemajとの別れもあった。近年こそコンディションが不安定であったが、その烈しさと献身性、そして強靭な精神力とリーダーシップは確かにGiallobluの支柱が一柱であった。Grazie di tutto Hete!!👏
(出典:@ACChievoVerona)
【入団】
GK
・Nardi ←パルマ ?ユーロ
DF
・Brivio ←スイス・FCキアッソ(※フリー)
・Leverbe ←サンプドリア(※トレード)
・Vaisanen ←SPAL(※トレード)
・Dickmann ←SPAL(※ローン)
・Cotali ←カリアリ
・Colley ←イングランド・チェルシーU-23(※フリー)
MF
・S.Esposito ←SPAL(※買取OP付ローン/買戻条項有)
・Segre ←トリノ(※買取OP付ローン/買戻条項有)
・Schafer ←ジェノア(※ローン)
・Ivan ←サンプドリア(※トレード)
FW
・Pucciarelli ←エンポリ(※ローン後、買取OP行使)
・Ceter ←カリアリ(※ローン)
こちらは最小限かつ的確な補強といっていいだろう。ほとんどがローンorフリーでの獲得であり、放出と上手く組み合わせることで出費を最低限に済ませた。
(例:Depaoliの取引にLeverbeとlvanの獲得を組み込む、TomovicをVaisanenとのトレードという形で売却する、など。)
Seculinが去ったセカンドキーパーの座はパルマからベテランのNardiを獲得し確保。手薄なサイドバックもBrivio、Dickmann、Cotaliらを補強し厚みを持たせた。(ちなみに、現在右サイドバック1番手のBertagnoliの本職は中盤だ。)
アンカーのS.EspositoやセンターハーフのSegreはスタメンとして期待がかかる。2人に関しては買取OPを行使することができるので、この1年で価値を見定めるとともに、昇格に大いに貢献していただきたいところ。
ちなみに先日のエンポリ戦では、"死んだフリ"から危険なチャージを見舞ったFrattesiに対して、Segreはプレーと無関係ながら激昂し、揉めたことでジャッロを貰ってしまった。試合後、激しく抗議を受けまくったFrattesiを気遣ってか、S.Espositoはユニフォーム交換を申し出ていた。いやはや、もうキミ達は立派なMussi volantiの戦士ですわ。
なお、KaramokoとトリノのMillicoをトレードする案は、Pellissier曰くどうやらVerdi獲得に夢中だったトリノの返答が遅れたことで叶わなかったようだ。Karamokoは貴重なアンカーを務められる選手であり育成組織の星でもあるため、これは怪我の功名かもしれないと筆者は思っていたりもする。巻き返せKaramoko。
↑トリノより加入のSegre
(出典:@ACChievoVerona)
ここで、TDとしての初のメルカートを終えたPellissierのコメントを紹介しておこう。
Pellissier「正直我々はチームをもっと強化したかったのだが、今のチームにも十分競争力があると言っていいだろう。一般的に引く手あまたである重要なプレーヤーを売却することは残念なことであった。
Stepinski?私は失望した…。メルカート最終日寸前で、彼が完全移籍でチームを去りたかったということを知りたくはなかった。
DjorjevicとGiaccheriniはチームに残っている?彼らからは移籍のリクエストがなかったし、また彼らを売却することはできなかった。しかし、日頃のトレーニングと試合で見たものから、Bにおいて彼らがチームに違いをもたらすことができるのは明らかである。彼らは我々に素晴らしい攻撃の手を与えることができるだろう。
Vignato?我々はサンプドリアとの合意に近づいていた。彼らは魅力的なオファーをしてくれたが、最終的に合意に至ることはできなかった。
カンピオナート?今はただ戦わなければならない。」
入退団情報からもわかる通り、Campedelli会長は今季は主要選手を放出し、最小限の戦力と育成組織出身者の融合でBを勝ち抜くことを選択した。そのチョイスは決して間違っていなかったと、ここまでの2試合の内容からも見て取れる。
もっとも、チームに残ってくれた本来Bにいるべきではない選手達がBで戦ってくれるのも今季までだろうから、絶対に昇格は即、為されなければならない。GiaccheriniやE.Vignato、Djorjevicは結局チームに残留する道を選んだ。特にE.Vignatoは価値を高める意味でも、今度こそビッグクラブへステップアップさせてあげる意味でも、さらなる飛躍のシーズンとなることを祈るばかりだ。彼に500万ユーロのオファーは似合わない。ただ、スタメン争いとしては今のところ彼よりもGarritanoがリードしていると言わざるを得ない。奮起せよ、そしてクラブと共に翔ばたけ、Emanuel。
今日9月6日はキエーヴォが1929年に創立されてからちょうど90年となる、記念すべき日だ。
9⃣0⃣6/9/1929
— A.C. ChievoVerona (@ACChievoVerona) September 6, 2019
– 6/9/2019: quanta strada hai fatto caro @ACChievoVerona!
Tutti insieme abbiamo creato un'avventura calcistica fin qui lunga #90 anni, e reso possibile ciò che a molti sembrava impossibile!
Tanti auguri piccolo, Grande, UNICO #Chievo! 🎉🎉🎉 pic.twitter.com/7Apf24KHwI
主力のキャリアや経済的現状を踏まえ、我々に残された時間はそう多くない。最終的な狙いこそ異なるが、変わらずすべきことは、少しでも多くの勝ち点を積み上げること。キエーヴォらしく、泥臭く着実に突き進んでいこう。
"今はただ戦わなければならない"。
我々の羽は、Aを飛ぶためにこそある。
Vinci per noi. Forza Chievo noi siamo con te!!
(出典:@ACChievoVerona)