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【B第4節 ピサ戦レビュー】

【レビュー】

 

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(出典:@ACChievoVerona)

 

 

住めば都?

DAZN・スカパー2社体制が織り成す日本におけるセリエA放映環境とは大きく異なり、我々Giappone Clivenseは、とある合法的な手段で毎週全てのゲームを快適に視聴することに成功している。ここまで試合開始時刻も全てJST 1:00である。そして、なによりキエーヴォのチーム力はBでは頭一つ抜けており、快楽的嗜虐的意味合いとして(?)試合がとても楽しい。そういった理由もあってか、今のところは意外とストレスなくカルチョクラスタライフを楽しんでいる。あれ?もしかして、セリエBって快適?

 

 

底無し沼

いやいや。快適に感じているのは日本在住サポーターだけであろう。多分。

降格によって貴重な放映権収入は確実に減った。それを補填する役割を果たすパラシュート・ペイメントの恩恵が受けられるのも降格初年度のみだ。

チーム力だって、収入が減り規模が縮小されればいずれBの他のクラブと遜色ない面々になっていくだろう。優秀な育成組織上がりの選手だって、頭角を現した新星だって、どんどんAのクラブに安く買い叩かれていく。DepaoliやJarrowがそうだったように。

Bは底無し沼だ。上がるなら、今季しかない。その覚悟があったからこそ、フロントはBには相応しくない、およそ高給取りとされるDjordjevicやGiaccheriniといった選手の慰留に努めたのだろう。

今節対戦したピサは試合開始前2位につけていた。チームとしての完成度も高く、きっと最終局面まで昇格を争う相手になるであろうクラブだ。開幕早々の対戦ではあるが、キエーヴォにとって絶対に叩いておきたい相手だったのだ。

 

 

勝ちに等しい引き分け?いや…

キエーヴォは後半60分で2-0の状態から追いついてみせた。きっと誰かは言うであろう、「勝ちに等しい引き分け」と。

確かに、敗色濃厚、モチベーションもスタミナも苦しい状況から2点をもぎ取ったことは評価に値する。しかし、実際問題勝てただろう?前線守備からリズムを作り、高い位置で奪って相手陣内でプレーする時間を多くするのが今季のキエーヴォの特徴だ。にも関わらず、攻守ともに前半は相手のスローなペースに合わせてしまった。失点時も、甘くなったチェックからクロスを上げさせてしまい、ノンプレッシャーでヘッドをMarconiに許し、結果彼はドッピエッタ。スルスルっとDF間に入っていき難しいコースに決める技術は全盛期のIcardiを彷彿とさせる。確かにいいストライカーだが、左SBのBrivioはクロサーの対応に十分間に合っており、確実に防げたはずだ。

この、相手に合わせて無駄にした45分はいわばお灸だ。逃した2ポイントを糧にし、後の数倍のポイントにして還元して欲しいところである。

相手のピサは明らかに試合の終わらせ方を間違えた。まるで昨季ホームで迎え撃ったローマのように、2点リード後のピサの中盤守備は、変わらずのペースで当たるか守備に徹するかどっちつかずのふわふわした状態だった。攻撃パターンの刺さり具合から察するに、恐らくは、畳み掛けるキエーヴォに対しては潔く引いて固めるのが正解だったのだろう。我々からすれば、助かった部分である。

2点をリードしたピサと、試合を支配したキエーヴォ。お互いに勝てる要素があったゲームであり、このドローは「痛み分け」と称するのが最適であろう。

 

 

奏功した交代策

攻勢のトリガーとなったのはアンカーの交代だった。決してEspositoが満足できないプレーをしていたわけではない。彼の交代によって、アンカーのポジションに入ったObiが良すぎた。落ちない運動量で至るところに顔を出し、相手を剥がし、前を向いて相手陣内の奥深くにボールを供給。守備の読みも冴えており、確実に彼は同点劇のステージに君臨していた名優であった。

そしてもう1人。右SBのDickmannはまさに名優であった。質の高いプレーでハーフスペースを活かしチャンスを演出した。そしてバイタルで受ける機会の多くなった後半、最後は自らのシュートでゴールをこじ開けた。こうして目に見える形で結果に結びつくことは少ないが、起用に応え続け黙々とタスクをこなす彼は賞賛に値する重要な戦力だ。

 

 

若き力、躍動

Giaccherini、Vaisanen、Ceterらを怪我で欠いた今節。特に中盤の推進力を支えていたGiakの離脱の影響は大きく、我々はVignatoに殻を破る活躍を期待していた。

そして実際に彼はその力を存分に発揮した。トラップ、パス、一つ一つの基本動作が巧みであることは言うまでもないが、やはり惚れ惚れする。打開力と空間認知能力で多くのパスを引き出し多くのチャンスを演出したのだ。トップ下の彼はまさにMussi VolantiのDybalaと言える活躍を果たしていた。

そのVignatoのパスを受け、反撃の狼煙となったゴールを決めたSegreも素晴らしいプレーを見せていた。主審の基準に沿った強度の高いチェックで相手のパス源を潰し、豊富な運動量でゴール前にも顔を出し相手陣内を脅かし続けた。後半開始早々のチャンスは難しいボールに合わせたもののコースが甘く、本人もかなり悔しそうにしていた。が、その15分後、相手GKが動けない完璧なコースにワンタッチで今度こそ流し込んでみせたのである。前節までも多くのシュートチャンスがあったが、第4節にしてようやく移籍後初ゴール。このゴールが口火となり、ここから2列目のストライカーとして攻撃を底上げしてくれるに違いない。

Vignato、Segre、育ってきた境遇こそ違えど、2人とも身を粉にしてキエーヴォに尽くしている。彼ら若き力の大いなる可能性を存分に感じさせてくれた同点劇であった。Dickmannの同点ゴールでベンチに駆け寄った2人の笑顔がもっと見られますように。

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(出典:@ACChievoVerona)

 

 

負けられない相手、負けたくない敵将

次節はまたしても上位対決となる。相手はサレルニターナ

ご存知の方も多いだろうが、敵将はあのVenturaだ。昨季、彼がキエーヴォの指揮官を務めた期間はまさに"失われた1か月"だ。闘志なき言動でチームを混乱に陥れ、散々な結果と騒動でチームを逃げ出した者に負けるわけにはいかない。カンピオナートの状況的にも、クラブのメンツを賭けても、敵地サレルノから勝ち点3を持って帰る必要がある。

ORGOGLIO CLIVENSI」の幕の下、キエーヴォスピリットを体現する時だ。誇りをかけて、戦え。

 

 

Marcolini「私はピサの強さを知っていたし、彼らには激しいゲームを期待していた。ピサはコンパクトに組織的な攻撃を展開してきたが、それは驚くことでは無かった。我々の選手は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。

私たちは力強くスタートしたが、相手の最初のチャンスに屈した。前半のコピーかのように、ピサはまたしても後半最初のチャンスに結果を出した。

確かに2点差は応えたが、代わりにチームをそうした戦いのために再編成し、諦めなかった。私は彼らの守備をこじ開ける狙いのもと、中盤を変更した。我々は常に勝利を信じており、結果として前節と同じことが功を奏して同点とすることができた。

当初の目標は2ゴールを挙げることだったが、最終的にはさらに多くの得点を奪えたはずだ。だが、今は選手達が示した強さを称えたい。

次節のサレルノでの戦いは今日以上に難しいものとなるだろう。」

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(出典:@ACChievoVerona)