365gialloblu

@Chievo_Giapponeがお伝えする@ACChievoVerona情報

キエーヴォ監督問題(後編) ―10年ぶりのタッグ

【Tuttomercatoweb.com】【TGGialloblu】

衝撃の辞任発表から3日と経たずに、Venturaと双方合意のもと契約解除したことが発表された。

 

そしてすぐに、新監督発表の運びとなる。その人物はかつて2度キエーヴォで指揮を執ったことのある"Mimmo"ことDomenico Di Carlo(54)だ。昨季終盤までノヴァーラの監督を務めフリーとなっていた若き知将は残留へ意欲を見せた。

Di Carlo「すべての試合をキエーヴォスピリットを持ち戦いたい。我々は(残留を)共に成し遂げることができる。私たちは悲願のため必ず成功するだろう。」

 

このニュースに中心選手らも次のように語った。

Pellissier「失われた1か月は私を怒らせたが、Di Carloは違う。彼は我々を信じているし、我々もまた彼を信じる。」

Radovanovic「Di Carloは適切なタイミングであり、適任だ。私はこの挑戦を受け入れてくれたことに感謝している。彼のサッカーは非常に挑戦的だ。」

 

 

Mimmoの影響はすぐさま実を結ぶことになる。就任直後のナポリとのゲームにおいて、得点こそ叶わなかったが、アンチェロッティ麾下の自慢の攻撃陣を封殺。相手はCLを控えており主力の使用を制限せざるを得なかったこともあって、見事スコアレスドローに抑え、敵地から勝ち点を持ち帰って見せた。

堅守を誇ったかつての指揮官・Maran時代を彷彿とさせる4-3-1-2の布陣は、ペナルティーエリア付近においてまさに岩のようなディフェンスを見せる。堅守速攻、単純明快なカウンターを基調とするサッカーは、ナポリに有効利用させるだけの十分なスペースを与えない。仮に個の質的優位性で突破されたとしても、待ち構えているのは我らが誇るべき守護神Sorrentinoだ。蘇った守備は、獲得した勝ち点以上の期待感を残すこととなった。

攻撃面においても改善が見られた。ObiとHetemajの推進力と運動量がBirsaを助け、前線ではPellissierとMeggioriniの経験豊かな選手たちが身体を張って敵陣に攻め込む足掛かりとなる。ベテランのみならず、DepaoliやKiynneなどの若き才能もその片鱗を見せた。キエーヴォは、在るべき姿に戻りつつある。

 

Di Carloがもたらした一筋の光。それが単なるまぐれでないことは、先日のラツィオ戦を見れば明らかだ。ターンオーバー気味だったナポリ以上に、彼らはCL出場権を得るべくベストメンバーで挑んできた。昨季のような大量失点すら想起されたゲーム、しかし彼らはまたしてもドローに持ち込む。

 割り切った戦い方で、必要以上に釣り出されることなきようある程度ボールは"持たせた"。ナポリ戦で浮かび上がった改善点を生かし、チャンスこそ少なかったが質の高い鋭いカウンターで得点に肉薄する決定機を幾度も作り出した。Pellissierの素晴らしいゴールで先制し、途中出場のKiynneの個人突破は勝利にあと一歩まで迫ったプレーであった。試合の端々から、Mimmoがもたらした"何か"を感じ取ることができたであろう。
f:id:Chievo_Giappone:20181207115435j:image

 

 

チームを支えているのは指揮官のみではない。チームの中心たるベテラン陣、とりわけ長きに渡りクラブを支えている主将の”bandiera”Pellissierだ。

彼がプレーする最前線のポジションは決して息の長いポジションではない。しかし彼はキエーヴォの街に戻ってきた2002年から、16年経った今でもその名の通りGiallobluの最前線を走り続けている。そして彼は紆余曲折を経て、Mimmoの期間を機に復活。ナポリ戦、ラツィオ戦の健闘に大きく貢献してみせた。

【TGGialloblu】は彼を称える記事でこう綴っている。

激しさ、戦闘精神、利他主義、諦めの悪さが小さな巨人の重要な構成要素だ。ビジネスとアンモラルで支配される虚偽まみれのサッカー界の暗黒面において、それでもなお本当の素晴らしいサッカーの存在を信じていられるのは31番を背負う男のおかげである。Sergioは不可能は精神の限界であることを体現している。

愛の物語は浮き沈みが常だが、彼のクラブへの愛はそれを大きく上回る。Coriniは彼のポジションを取り上げ、Maranもそれを踏襲した。以来彼は自分自身の立ち位置を考えるようになり、彼は自身の境遇に不満を漏らしたことはない。彼の振る舞いこそがまさしく愛だ。

 

 もちろん、今シーズンキエーヴォは最良の方法でスタートしていない。ペナルティはD'Annaが実践したかった戦術の大きな障害となった。Venturaとは大きな遺恨が残る別れとなった。永遠に続くのではないかと思われた闇の中、Pellissierの決意の言葉がどれほど救いになったことか。我々Clivensiもまた、諦めが悪い集団である。
f:id:Chievo_Giappone:20181207115759j:image

 

 

特定の愛でなくとも、彼らが大旋風を巻き起こしていくのが本当なら、MimmoとPellissierの運命は何らかの形で絡み合っているのだ。両者はすでにお互いを知り尽くしている。 共通の特徴は?彼らは諦めを知らない。目標は?10年前同様、キエーヴォを救いたいのだ。Mimmoがベンチに戻り、Pellissierがピッチに立ったSan Paoloで、貴方たちは確かな希望を見たことだろう。

ハッピーエンドの確証はないが、定められていたエンディングよりは必ずや良い結末を迎えるはずだ。人生には自分が生きるべき人生があり、恐らくはPellissierの人生は生まれながらに主将たる人生なのだ。そしてキエーヴォがいるべき戦場はAの舞台であり、10年ぶりのタッグがもたらすものは再び飛翔するための翼だ。
f:id:Chievo_Giappone:20181207115747j:image

 

 

 

(画像出典:@ACChievoVerona)